何となく好きなものを語りたくなった。
わたしが好きなもの、夏。
夏が狂おしいほどすき。
しろく光る視界と青く遠い空、汗が伝う前髪にうざったいなと感じながら、なんでも出来るなって、どこにでも行けてしまいそうだって、くだらない全能感を感じてしまう。
ようは幼少の頃を思い出して懐かしくなっているんだろう。人を殺せるような気温になったこと以外は特に変わりない季節であり風景だから。
夏の花だとひまわりがすき。人の首みたいな、あのもたげている感じ、気味が悪いよね。花言葉も「あなただけを見つめる」って。狙ってんのかよって。
かつて少しだけ繋がっていたフォロワーが言っていたけど、「夏は生命力が全てを推し潰そうとするから、死を感じてしまう」みたいな感じの文章、あれもすきだった。いま何してるんだろうなきみは。楽しく生きてるといいな。
帰り道にかじったアイスも、あなたとお喋りしたくてわざわざ1時間も歩いた道も、泣きながら帰った国道沿いの雑草だらけな通学路も。全部わたしのもの。今でも思い出して噛み締めてる。味の無くなったガムみたいに何回も擦ってる、それでも思い出して懐かしむ。
その行為自体を寂しいとも思ってしまうけど、変わってしまった自分を慈しめる時は来るのだろうか。季節は何回も過ぎるけど、毎年こんなことを考える。
夏、きみがすきだ。