すきにやらせろ

離と言います たまに書きたまに消える 名前はすきに読んでください

母について

わたしの母は子供を2人育ててきた。贅沢せず、料理も家事もそれなりにしてくれたと思う。学生のわたしは手伝いをサボってよく怒られていたのを思い出す。社会人になってから母の貯金額を聞いて、投資でもしてたのかと動揺したのは記憶に新しい。

 

当時は夕飯に惣菜パックがよく並んでいた。揚げ物が苦手だったわたしは、実家暮らしの後半はいらないと伝えることが多かった。わたしの分は買わなくていいと。

それでも母は、食器にキッチンペーパーを敷き、惣菜をのせて、電子レンジで温めたものを食卓に並べる。たまにつまんで、大して話もせず食事が終わる。

こんな感じの日々を淡々と20年以上も続けている母。

 

わたしも食べ物の好みがあって、生野菜が好きだからサラダが食べたいとか菓子パンは嫌とかの小さい希望もあった。でもあまり伝えなかった。言っても余計にお金がかかるし、そんなことで話したいと思えるほどその時の関係も良くなかったから。

 

数年前に一人暮らしを始めてから、よく言う親のありがたみというものと、適度な距離感が手に入ったと思う。

反抗期とか、色んなことも重なって感情的になっていたわたしは、母とは人間的に合わないと思っていた。でも今なら、たまに会って、話をしてくらいならうまくできる。

多分今がいちばん良い関係だろう。相手を人間として見ることができるから。

 

振り返るとなんであんなにも腹立たしいと感じていたのかよく分からない。

あの時の感情はあの時だけのわたしが抱えている。それをぶつけられていた母からしてみればたまったもんではないだろうが。ごめんな。

今更ながら、やっと母と関わる方法が分かった気がする。

 

そして、母は持病があって、恐らくもう働けない。

今のまま、様々な面から、母の存在を面倒に思わない日々ができるだけ長く続きますように。